毎日、クリニックには色々な症状を持つ患者さんがいらっしゃいます。歯が痛い・歯茎から血が出る、などの代表的なものから、歯がグラグラ動く・歯茎が腫れた等症状が重いケースとあります。その中でも最近多いのが、「よく噛めない」というものです。痛くて噛めないのであれば、虫歯や歯周病などの原因となるものを取り除けば多くの場合は症状は改善します。しかし、歯が1本(あるいはそれ以上)なくて噛めない、右あるいは左のみの片側噛み、という事もよくあります。その治療方法はケースバイケースですが、今回はよく噛めることがいかに重要かを、全身的な観点から見ていきたいと思います。
昔から、「歳の数だけ噛め」と言われていますが、この記事を読んでいる皆さんは1口30回以上噛んでいるでしょうか?まず試しに1口30回と決めて噛んでみてください。ほとんどの方が「随分長く噛んでいるな」と感じ、いつも5,6回噛んで飲み込んでいることに気が付くと思います。実は、私たちは歳の数の5分の1以下しか噛んでいないのです。このことによって、私たちの健康と美貌に大きな影響が出ていることに気が付いているでしょうか?